青春の時間が流れる街


28歳の時に一年間京都に住んでいた。
インターナショナルアカデミーという学校に通うためだ。
本当は東京のセツに行きたかったが抽選に漏れ続け
京都の学校に行くことにした。


二番目に勤めた公営の図書館では、その町の出身でないためか
うんざりするようないじめを受けた。
辞めてから数年たってもその街に行くと喉が詰まって息が
うまく出来なかった。
その頃、私を支えたのは絵本の挿絵だった。
事務机のマットの間には某作家の写真をいれて、小さな字で
「大人社会に通用しよう」と書いて入れていたが
三年で辞めてしまった。
その後バイトをしながらセツの抽選に送り続けたが通らず
結局京都へと変更した。


伊丹空港から京都市街地へ入るとき
心のそこから嬉しくてニヤニヤしたことを覚えている。
季節は春で桜は既に散っていて、鴨川の川べりに
花びらのじゅうたんが吹き溜まっていた。


今年その学校が無くなってしまうと知った。
時は移ろうのだ。


※写真はフランスの画家のものです